人気ブログランキング | 話題のタグを見る

🔲903🔲 2月29日


例年では旧正月が終わった今の時期から、5月の始まりまでのチェンマイは、煙害で空気汚染が激しくなる時期です。世界ワースト1になったこともあるチェンマイの大気汚染が一向に改善されず、今年も憂鬱な時期が始まります。そんな中、状況改善の小さな試みとして、こんな新聞報道がありました。


2月20日、旧市街にあるワット・チェディールアンでキャベツ50トンが無料配布されました。これは普段森林火災の消化活動に賛同している農家を支援するためのプロジェクトだそうです。広範囲な山火事の消化活動には、多大な人力が必要です。普段農家の消化活動協力に感謝する意味でも、粋な計らいだと感心させられました。キャベツを買い上げてもらった農家は大助かりでしょう。


 チェンマイでは、かなり以前から森林火災対策として、山焼きが禁止されています。山岳地帯に住む少数民族は、昔から山焼きで作った耕作地にアヘンを植えて生計を立てていました。麻薬禁止の観点から、転作をススメ(ロイヤルプロジエクト)同時に山焼きで起こる深刻な大気汚染を防止する政策が取られてきました。しかし、山林が極度に乾燥する時期に起こる、自然発火の山火事は防ぎようがありません。一旦発火すれば何日も燃え続け、PM2.5の指数が上昇します。一時は外国人観光客が激減することもあった状況まで悪化するのが例年の今の時期です。


状況の改善にこんなことも行われています。このほど在チェンマイ日本領事館が、チェンマイ北部の村に、水タンク付き多目的消防自動車を寄贈したというニュースがありました。北部山岳地帯の住民は山の水を生活用水として利用しているため、降雨量の影響が強く、特に雨が全く降らない乾季は深刻な水不足に陥っています。一旦山火事が発生しても、消化活動が思うようにいきません。それを援助する意味では水タンク付き消防自動車の寄贈は天啓ともいえます。


その他、電気自動車の普及、中国製電気自動車やテスラ、日本製のハイブリット車など、増え続ける自動車のCO2排出に対しても、人々の関心が向けられています。でも、ささやかな効果しか期待できないのが現状です。


我が家から1000メールほどしか離れていない西のお山、ドイステープが煙害の煙で姿が見えないのが例年の今の時期です。幸い今年はお山が姿を隠す日が未だありません。うす霞という感じの日が連続していますが、家人は携帯のアプリAirVisualで毎朝空気汚染度とドイステープを眺めて観察を続けています。その結果では早朝午前6時以前は空気が滞留していて、お山が霞んでいることが多いと言います。朝日が登ってくると風が吹き出し、お山に絡みつくように留まっている悪い空気が動き出します、そうすれば窓を開け、新鮮な空気を胸いっぱいの吸うことが可能と言います。陽が昇る前は決して部屋の窓を開けてはいけない、というのが家人の大気汚染観測の結論です。その短い時間が過ぎると、汚染度は急上昇するということです。


チェンマイが酷暑の夏季はこれからが本番です。風がパタリと止まって、体に張り付くような熱された大気が感じられる3ヶ月が続きます。それに加えて起こる深刻な大気汚染は歓迎されざるチェンマイの年中行事です。


と、書いていたら約1週間前、北部山岳地帯で火災が発生役おおよそ3万ライ(4800ヘクタール)の密林が火災に遭い焼け消失したという報道がありました。火災はまだ燃え続けていると言います(2月28日現在)。その影響で、チェンマイの空浮汚染度が世界ワースト10に入ったといいます。PM2.5no濃度は27日午前8時時点で⒎5.7〜92.7となり、危険レベルに達したようです。


火災の原因は、食べ物を探す村人の習慣(?)と、農場の残滓の焼却と言われます。この火災に地区の消防司令センターは天然資源環境省に航空支援を要請、第3軍区域から航空機による消化活動の支援を求めていると報道にあります。


厳重な監視体制を引かれていて山焼きは禁止されていますが、チェンマイの事情通によれば、山よりの平地の農地では今でも農作物の残滓を焼く煙がたくさん立っていると言います。長年の習慣を変えるのはかなりの努力が必要ですが、各人の自覚を促すしか、効果的な対策がないという現状は悲劇的でもあります。




# by newsaki | 2024-02-29 15:17 | 2024