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近所にインド料理ができました

■718■ 9月22日

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時の移ろいにあわせて町の様子も変化するのが世の常ですが、我が町ニマンヘミンはこのところ変化が急でちょっと戸惑いを感じることがあります。僕がこの町に移住した16年前は、田舎然としたところが大いに気に入っていたのですが、ここ数年の中国人観光客の急増で、町の様子がすっかり変わって、今や中都会化した町からは潤いが消えてしまった感じがします。

以前は静かな住宅街で、大きなお屋敷がきちんと区画整理された道路に立ち並ぶお気に入りの町でした。ソフィストケートされたレストランやバーが並んでいて、本格的な味を賞味することのできる町でした。10年前までは、この町はチェンマイの中でもしゃれた町として、タイ航空は「チェンマイの青山通り」などと宣伝していたものです。「青山通り」といわれるとちょっと違和感を感じないわけではありませんが、内心ではほくそ笑んでいました。その頃は気の利いたラストランが次々とオープンして、週末の外食が楽しみでした。

その町が変貌しだしたのは5年位前から、中国人観光客が急増した結果、町が落ち着きをなくし、近所に住んでいた欧米人が混雑にネオあげて、郊外に引っ越し、その後は大半がB&Bに変身し、その結果ますます観光客が増えるという悪循環、外国人居住者を当てにした、こじゃれたレストランが、次々と姿を消して郊外に移転するやら、商売を辞めてしまうやらで、町のいいところがすべてなくなった雑然としたニマンヘミンに僕はまだ住んでいます。

目まぐるしく変貌するわが町ニマンヘミンは、贔屓の店がなくなって、新しくできるのはなんだか中途半端なものばかりです。そんなソイ5にインド料理店が開店しましたので早速出かけてみました。

この場所は一年くらいで店がかわる場所で、つい最近までタイ料理の店だったのが、今度はインド料理です。店が変わるごとに内装外装を作り変えるタイ式伝統はここでも発揮されており、店の外装を緑に塗り変えてあります。インドの国旗を掲げていますので、インド料理店だということは外装ですぐにわかります。工事期間が短く、素早い変身で、我が町では変わり身の速さが身上ですが、こんなに頻繁に変わるということで、僕がいつも心配するのは、初期投資が十分回収されているかどうかという問題です。気軽に開店しすぐに閉めてしまうのは、どう考えても投資分を回収できているとは思いませんので、そうするとかなりの店が採算が取れないままに閉店してしまうことになります。飽きっぽいタイ人気質がそうさせるのかも知れませんが、改装工事をして、一回もオープンしていない喫茶店を目撃すると、一体タイ人の経済感覚はどうなっているのか、非常なる疑問が頭をもたげます。

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そんな中、新装開店のインド料理店は、テーブル席10、別室で宴会ができるような大テーブルがしつらえてある部屋があります。僕が行ったときは、客もそんなに入っていませんでしたが、ヨーロッパ人のカップルが食事中だったので安心して席につきました。ファラン(タイで外国人をこう呼びます)が入ってる店は、値段が手頃で、味も本格的だという観測があります。彼らはそんな店を見つける臭覚に優れているので、ファランが入っている店はまず当たり外れが少ないといえます。

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久しぶりにインドビール(確かフィッシャーという名前だった)が飲めると期待していましたが、期待に反してローカルビールしかありませんでした。定番のケバブーとタンドリチキンを注文しましたが、これが大ハズれ。どちらも塩味が効きすぎて、しょっぱい食感しか感じられませんでした。インド料理は辛みはあっても、塩っぽくはないという僕の記憶も曖昧になるほどの塩味でした。インド料理の定番、ケバブーとタンドリーチキンがこれではと期待しないで追加注文したナンとカレーは味は跋文、ちょっと安心しました。キッチンはガラスで仕切られていますから、中がよく見えます。インド人のシェフが2名働いていましたので、タイアレンジのインド料理ではなさそうです。

しばらくしていると、頭にターバンを巻いたインド人の二人組が入ってきましたので、ちょっと安心しました。自国民に愛されない味は、本物ではありません。でも当地では日本人がはいっていない「日本料理」店がたくさんあります。前住地香港ではこれを「日式」と呼んでいました。チェンマイも時間がたつと「日式」が増える傾向にあります。ますます味の探訪が難しくなる我が町です。


by newsaki | 2017-09-22 13:30 | 2017